ぺこりとおじぎをする男の子に向かって
じゃあな、と言って笑うと
彼はまた歩きだした。
まだ、どきどきが収まらない。
突然目の前で起きた、
ちょっとした事故への驚き‥‥のせいでもあるけど。
初めて間近で見た彼の姿も、
そしてびっくりするくらいにきらきらしていた彼の笑顔も。
目に焼きついて離れない。
どきどきが、ちっとも収まらないよ‥‥。
「‥‥あっ、」
ぼーっとしてしまっていた私は、あわてて彼の方を見た。
彼は、2軒隣のコンビニの前を向こうへ歩いていく所。
やばい‥‥!
今のごたごたのせいで私、チョコ渡しそびれた!