その夜、



新聞と睨めっこしている想に
さっそく言ってみた。


「へぇ~?あんな奴のどこがいいんだか・・」


相変わらず高橋くんに対して悪口をこぼす。

「そうかな?高橋くんって結構人気あるんだよ?」


ユウちゃん情報によると、
一応ファンクラブまであるらしい。


うちの学校って本当にファンクラブとか好きだよね・・・


「でも俺より大したことないだろ?」

「そ、そりゃ~」

当たり前・・・とは言えないけど


確かに想は学校では大人気。


しかも人気があるのは女子だけではない。

男子にまで人気があるし。

「ほら、見ろ。大したことないだろ?」



まぁ、あなたに勝てる人って言ったら
そうそういないかもしれないけどさ・・・


「でも、いいんじゃない?
見た目だけが全てじゃないし。」

「はいはい。」


「ママ~!おちゃ、おちゃ!!」


ふと横を見ると花がテーブルにお茶をこぼしている。


「あちゃぁ~!花、しっかり見なきゃだめだよ?」


キッチンから布巾を持ってきて急いでテーブルをふく。

あたしの姿を見て

「はなも!!」

すぐ近くにあったティッシュでふいてくれる。

「ありがとう、花」

ふき終えたあたしが花の頭をよしよしと撫でると
にこにこ笑顔になる。