「えっ…?」



分からない。

でも勝手に動いたんだ。
体が。

そっと、栄一の涙を薬指で、
そっとそっと…拭いていた。

声にはでてないけど。

口パクだったけど…



「¨栄一は悪くない。栄一は強いよ?¨」



伝わったらいいな―。

そんなネガイ届くかな?



ギュッ―



それはすんごい温かくて…



シュー―



風が一瞬通り過ぎた。