次の日も同じように電車に乗った。

だけど亮さんはいなかった。

秀樹さんによると水曜日だけ亮さんはこの電車に乗らないんだって…

『ってか梓依ちゃん。実は亮に恋してたり?』

梓依は赤くなった。

『そっか。だから毎日電車乗ってるんだ。純情だね?』

初めはからかいまじりだったけど途中から恋愛相談に…

『あれだよ。メアドとか聞かなきゃ。』

『恥ずかしいし…迷惑かなぁって思ってできなくて…』

『恋は相手が少し迷惑だと思うくらいが丁度いいの!』

そういうもんかぁ…

『まぁいつでも相談してよ?梓依ちゃんの味方だからさ。』
『はい!』

なんてやる気満々の返事。とりあえず亮さんの会社と電車に乗る日を伝授。

『梓依ちゃん。自信持ってね炅バイバーイ!』

まるで中学生みたいな秀樹さんに笑えてきた。

次の日、早速亮さんに接近。

『り…亮さん!』

『梓依ちゃん?何緊張してんの』

『あのですね…もしよかったら…メアド教えてくれませんか?』

言えたぞあたし!初めて言った!

『あぁいいよ。』

メアドを赤外線で受信!
うぉ!メアドごときでまぢうきうきしてる。

『梓依ちゃん。何か積極的になったね。』

『そうですか・』

『うん。でも可愛い感じに素直になった。』
か…可愛い

そんな一言で赤くなるあたし。

『亮さんあのね』

調子に乗ったあたしはずっとしゃべってて結局…亮さんは相づちをついていただけになってしまった。

『梓依ちゃんがそんなに話すの初めて見た!』

『え…あすいません。』
『謝んなくていいよ。』

『素な梓依ちゃんの方が可愛いし。』
また可愛いって。
やばい!

『またね。』

大進歩だよね?
今日でかなり進歩したよ。