いつの間にかあたしは東京の中心部を歩いていたんだ。

こんなとこに中学生なんて似合わないな…って
一人でつぶやきながら。

そこには大きなビルが何個もあって…
目が回るくらいあって…
どこが亮さんの会社のビルだかなんて検討もつかない。
とりあえずひたすら歩いた。

迷子…
完全に帰り道を見失い…帰りかたが分からない。

あは…。

神様もあたしに亮さんは諦めろって言ってんのかな?
やっぱり…亮さんを好きになることが間違いだったのかな…


『梓依!?』

後ろからふと聞き慣れた声がした。
一度立ち止まった。

幻聴?

あたしがそうかんじて前に向かって再びあるき始めたとき後ろから腕を掴まれた。

『亮…さん?』

亮は梓依を引き寄せ抱きしめた。

『亮さん!!?』
意味が分からないあたしはパニック状態。

『梓依のこと彼女にすることはできないけど…そばに居て欲しいんだ。』

『あたし…亮さんのお荷物なんじゃ…』

『梓依は俺の大切な妹なんだから。たった一人の特別な女の子なんだから。』

はぃぃ!!?

彼女が特別なんじゃないの普通!?

『意味が良く分かんないんですが?』

『こういうこと。』

唇が触れ合った。

ますます分かんない!