遠くでカラスの鳴き声がし、木々の間から差し込む光から夕方になったのが分かり、そろそろ戻らなくちゃ、とレオノーラが思い始めた頃です。


レオノーラの行先を阻むように茂っていた木々がさあ、と開け、柔らかな光が照らす湖に出たのです。

夕日が湖面にキラキラと反射して、まるでお伽話の一場面のようです。


レオノーラは長く歩いて喉も渇いていましたので、ふらふらと湖に近づきました。


近くで見る湖の水は澄んでいて、その周りにはレオノーラが初めてみる紫色の花が咲いていました。


「すごいわ。こんな素敵な場所があったなんて」