「酷いな! オレはれっきとした精霊だぜ。誓ってレオノーラを守る」


リュイが声を張り上げた途端、くるるるる、という可愛らしい音が鳴りました。その音と共に、リュイがへなへなとレオノーラの肩から滑り落ちます。


「リュイ!? どうしたの?」


「オレ、ずっと何も食べていないんだった……。腹が減ったよう」


リュイはさっきまでの勢いはどこへやら。情けない顔で言いました。


「しようのない精霊だね。ほら、これをお食べ」


パメラは自分の荷物の中から小さな箱を取り出して、中からピンク色のキャンディを一つ摘みとりました。

ぐんにゃりとしたリュイの口元に持っていくと、リュイはそれをぱくりと食べました。

頬をリスのように大きく膨らませ、リュイは美味しそうにキャンディを頬張っています。


「パメラ様、精霊はキャンディを食べるのですか?」


レオノーラはリュイのもごもご動く口を見て言いました。