どうしよう、このままじゃお母さんに怒られる。

いくらお母さんが嫌いではないとはいえ、怒ったお母さんはとても怖いのです。
大きな声で怒鳴られるでしょうし、食事のスープになんの具も入れてもらえないかもしれません。
具なしスープは、夜中にひどくひもじい思いをししなくてはいけません。
なさけなくキュウキュウ鳴くおなかを抱えて眠るのは辛いものです。
出来ればそんな夜は過ごしたくありません。

レオノーラは当てもなく山の奥へと入って行きました。


今まで入らずに避けていた深い森に入り、うっそうとした葉の隙間から差し込むか細い光を頼りに奥へと進みます。


取り囲む木々はどれも自分の意志があるのではないかと思う程威圧感があって、レオノーラは怖くなりながらも何故だか足は奥へ奥へと動くのでした。