「お母さん、これが今日の売上よ」


色褪せた麻の財布を差し出すと、お母さんはレオノーラの顔も見ずに受け取ってから言いました。


「これから山に行って。枝木を切ってきな。
今月はもうかまどの薪を買う余裕がないんだよ」


ちゃりちゃりと銅貨を出して、売上を確認すると、お母さんは空になった麻の袋をレオノーラに突き返しました。


「……はい、行ってきます」


レオノーラは背負ったままのカゴを降ろすことなく、再び山へ向かいました。