朝早くから野山を駆け巡り、美しい花を摘んでくるレオノーラの花売りはお客さんにも人気で、特にお金持ちの奥様たちがこぞって買ってくれました。
珍しい花は、奥様たちの大好きなお茶会で、話題になるからです。

あっと言う間に空っぽになる花カゴを眺めると、レオノーラはほっとし、また嬉しくもあるのですが、もっとたくさん持ってくることが出来たらもっとお母さんが喜ぶのに、と残念な気持ちにもなります。

でも、14歳の娘が運んでこれる量には限度があります。早く大きくなって、もっとたくさんの花を採ってきたい、軽くなったカゴを背負って家のドアを叩く度にそう思うのでした。