「お母さん、私、森の中で妖精さんに会ったの。そしてこれをもらったのよ。
ねえ、これはお金になるんでしょう？」


レオノーラは財布の中から妖精の涙を取り出して、お母さんに見せました。


お母さんはぎょっとした顔をして、レオノーラの手のひらに置かれた宝石をじっと見つめました。


「お、お前、一体これをどうしたんだい？」


「道に迷っていたら、妖精さんに出会ったの。そしたらこれをくれたのよ」


湖の話をしないように気をつけながら、妖精との出会いの話をしました。
お母さんは宝石をじぃっと見つめながら話を静かに聞き、最後に大きな溜め息を一つつきました。


「レオノーラ。その話は、本当だね？」


「本当よ。これをよく見て。本物の宝石でしょう？」


必死に言うレオノーラに、お母さんはにんまり、と笑いました。
優しくレオノーラの肩に手を置いて言います。