レオノーラは何か食べられる物はないものかと、きょろきょろと周りを見渡しました。

野いちごとか、木の実はないかしら?

すると、湖の向こう岸に、キラリと光るものがありました。

よく目を凝らしてみても分からない、小さなもののようですが、確かに何か光っています。

何かしら? 気になったレオノーラは、そぅっと光る何かに近寄りました。


レオノーラの足首より少し長い草の中に、小さな真珠色の花が一輪咲いていました。


辺りに咲いている薄紫色の花とよく似ているそれは、花びらの奥に夜露を溜めて、ほんのりと光っています。


まあ。光るお花なんて初めて見たわ、とレオノーラはまじまじと花を見つめました。


周りを見ても、真珠色の花はこれ一輪のようです。


「何て綺麗なのかしら。
明日これを売ったら、薪がたくさん買えるかもしれないわ」


摘むよりも、土から掘り起こして持って帰った方がいいかしら? と思ったその時です。