よくよく周りを見渡すと、月の光に照らされて、真っ暗闇ではありません。

湖面に満月が浮かび、空からも湖からも、優しくて儚い光が辺りを照らしています。


ああ、何て綺麗なんでしょう。


レオノーラはうっとりと、ゆらゆら揺れる水面の月を眺めました。




その時。
ぐううう、という低いお腹の音が静かな月夜に響きました。
もちろん、レオノーラのお腹の音です。

そうだった。お昼から何にも食べていないんだった。

レオノーラはぺちゃんこのお腹をさすって溜め息をつきました。
こんな美しい景色を見ても、お腹は変わらず減るのです。