泣きそうになって空を見上げると、
木々のてっぺんのその先に、満月がぽっかりと浮いていました。


そのクリーム色の優しい光を見て、レオノーラは少し落ち着きました。

あんなに綺麗なお月様が見ているのだもの、怖くないわ。
朝日が登ったら急いで山を降りましょう。
ここに咲いているお花を摘んで、売って帰りましょう。
珍しいお花だし、きっといい値で売れるから、それで薪を買えばお母さんも許してくれるわ。

そう決めると、レオノーラは段々と気持ちが落ち着いてきました。