「ああ、このお花はなんていい匂いなのかしら。それに、この草原は絨毯みたいにいい気持ちだわ」


レオノーラはほんの少しだけ、つかの間休憩するつもりだったのですが、
瞼が重くなって、少しだけ、少しだけ、と思いながら眠りこんでしまいました。

再びその瞼を持ち上げた時には、とっぷりと夜が更けていました。


「大変! どうしようっ」


レオノーラは驚いて飛び起きました。

でも、見渡しても夜に染まった木、木、木……。

どこから来たのかさえ、分かりません。