片手で私を抱いたままどうやったんだろう?




軽く掴んでるようにしか見えないのに、それを振りほどけずうめき声をあげる真二がちょっと哀れに思えてきた。




「海偉、これ以上やったら腕折れちゃうんじゃ……」
『お前が望むなら折ってやってもいいけど?』




冷たい口調で言う海偉に、『ひぃっ』と悲鳴をあげる真二。





「の、望んでないから離してあげて!」




そう言うと海偉はパッと手を離した。




捻りあげられた手を庇いながら、一目散に逃げてく真二を見ながら海偉はぽつりと呟いた。




『冗談だっていうの。腕なんか簡単に折れねーよ』





冗談に聞こえなかったわよ?本気で折るんじゃないかってひやひやしたんだから!