何となく聞いたことのある声とセリフ。




驚いた顔で私の後方を見てる真二に釣られて、真後ろを見る。




「海偉……」





予想していた人物の姿に驚きつつも安心して、強張ってた体の力が抜けていく。




それに気付いた海偉は私を自分の隣へと移動させて抱き締めるように、腰から手を肩へと手を回した。




『突然現れて割り込んでくんなよっ!』




驚いてみてた真二が、獲物を横取りされたと言わんばかりの怒りの表情で、私へとまた手を延ばしてきた。




「いやッ」




目を瞑り体を縮めた。





『痛っ。は、離せっ!!』




悲痛な声が聞こえてきて、そっと目を開けると、そこには何故か背中を向けてる真二の姿。




よく見ると、海偉に腕を捻りあげられている。