「萌花、勝手に人の相手を決めないで。

付き合ってるとかそんなんじゃないってわかってるでしょう?

私は今日暇だから参加してもいいよ」




萌花をちょっと叱咤してからお向かいの販売員にお誘いを受ける返事をかえした。




あの絵はもういいや。
場所がどこかなんて気にしなきゃいいだけの話なんだし。




会いに来ると言って来ない海偉なんかより、今必要なのは新しい出会いよ。




『センパイ!』




何故か必死に参加させまいとする萌花を無視して、誘ってきた子、進藤さんと一緒に合コン場所までいく約束をした。




話が済むと足早に自分の持ち場へと戻った進藤さん。



『センパイ、今からでも断った方がいいですってば。
あの子に合コンに誘われた別の子がこないだヒドイ目に合いかけたって言ってて……』




「たまたまハズレの日だったんでしょう?

今日の合コン相手にアタリがいたらもったいないよ。」




『でも…』

「無駄話はもうおしまい!仕事の続きをして」




調度よく来てくれたお客様の接客について萌花を振り切った。