「俺…神谷が転勤する少し前に部活に顔出しに行ったんだ。
そしたら、アイツが居てさ…話したんだ。
紗由の事…。」


「私の事?」


「神谷、言ってたんだ。
紗由が卒業したら自分の気持ちを伝えるつもりだったんだって。

紗由が卒業するまでに自分の事をきちんとケジメつけるつもりだったって。

だから…ちゃんと卒業式を迎えるまでは何も言えなかったって…。

でも、それがお前を不安にさせて…。

そんな時でも自分の気持ちを言えなかったのは
自分の事が一番可愛かったんだと思うって。

何もかも投げ出す勇気がなかったって。」



先生…

今、幹太が言ってるのは…
本当にアナタの言葉ですか…?

もし本当なら

アナタの口から聞きたかった。

あの時でなくてもいい…。

今、笑いながらでもいい

こんな時も、こんな気持ちだったんだよって…。


先生の声で…。