…言ってから気付く。



そっか、アタシのワガママは今に始まったことじゃなかった。



しかも、都に対してはワガママな上に甘え放題で、アタシは成長しないどころか退化している。



まったく、改めて自分が嫌になる。



恐る恐る顔を上げると、裕紀は、いつになく真剣な表情。



思い出したように一気に心拍数が跳ね上がる。



ココロだけは、正直でゲンキン。



やっぱり裕紀といると、他の事が考えられなくなる。



「で？」



いきなり、で？って言われても訳が分からず、アタシは首を傾げる。



「今更、俺にまで強がるな。言えよ、サヤの思ってること全部。ちゃんと聞くから。」



裕紀の強い視線は、アタシを真っ直ぐに捉えたまま。



アタシは、少しだけ落ち着いた頭で、言葉を選びながら話す。



こうやって巻き込んだ以上、隠すだけ無駄だとあきらめて。