チャイムの音が鳴るのと同時に、入って来た初老の講師が出席票を配り始める。



アタシはノートを取りながら、日奈子と筆談でさっきの話の続きを始める。



『ヒナ、へんな事聞いてごめん…』



『ううん、いーよ大丈夫。まぁ確かにユキくんは格好良いし、モテるんだろうけど…。アタシにとって友達の彼氏も元彼も恋愛対象外。しかもサヤとはさんざんキワドい話もしてるから、かなりリアルに映像が浮かんで無理!(笑)アタシがユキくんのことを色々聞いたのはね、サヤが心配なだけ。』



『アタシが?』



『うん。サヤはユキくんと別れてから、ずっと精神的に不安定じゃない?でも、ミヤくんと上手くいってるなら心配いらないかな。』



『うん。今はミヤと幸せだよ。…未練もあるし、揺れるけど、ユキとはトモダチだもん。別れた時に、もうアタシとは付き合えないってはっきり言われたし。』