「都くん。サヤね、初めてなの…痛く、しない?」



上目づかいで、甘えた声で言ってみる。



すると勢いよく回れ右でアタシに背を向ける。



都を追い越して、 今度はアタシが前に回り込む。



「ミ〜ヤ〜。どうしたの?」



「何、今の。やられた〜。一瞬で理性が。でもサヤになら騙されててもいいや。」



「うーん、ミヤ、重症だね…。」



「じゃあ、サヤ先生が治して。」



「今度はお医者さん?」



はたから見たら、かなりバカっぽいやりとりをしながら、手をつないで帰り道を歩く。



今度は大丈夫、上手くいくって、心の中で呟く。


都の家に着いて、玄関でブーツを脱ぎ終えると、立とうとしたアタシを都がお姫様抱っこで運んで、ベッドになだれ込む。


思わず、目を見合わせて笑う。



「俺、焦りすぎ?サヤが誘惑するから〜。」



「アタシのせい〜?先にスイッチ押したのは都でしょ?」



こんなに心からホッとして、和んだの久しぶり…。