普通なら裕紀に日奈子のNO.を教えれば済む話。


なのに、つまらないジェラシーを燃やして、わざと自分の携帯を使った。


こんなことしても、何の意味もないのに…。



大体、二人の性格を考えれば、映画を見に行くぐらい何でもないこと。



別れた事も、もう戻れない事も、頭では理解してる。



だからこそ、アタシは都と付き合うって決めたわけで。



なのに、心だけが取り残されて、現実についていけない。



肩書きがトモダチに変わっても、アタシは裕紀に一番近い女の子で居たいと思ってる。



裕紀が、これから誰と仲良くしようと、アタシには関係ないし、口出しする立場じゃない。



こんな行為も、何にもならないし、ただ嫉妬にまみれて歪んでく自分の心を、再認識しただけ。



このままじゃアタシ、どんどんイヤな女になる。


何かもう、ますます気分が沈んでいく…。



失恋の傷を癒すには新しい恋、ってよく言うけど、新しい恋を始めても完全に癒えてくれない場合は、どうしたらいいんだろう…。