電話越しに都の声を聞いた安心感で、それまで我慢してた淋しさと涙が一気に溢れる。



今まで、どんなに落ち込んでも誰かに泣きつくなんてしたことなかったのに…。



こんなに弱かったっけ??アタシって…。



いつの間にか都の優しさに、甘え癖がついてるな…。



「サヤ…本当にいた。」



街頭の灯りが逆光で、アタシから、都の表情はちょうど陰になって見えない。



「ミヤ。急に来て、ごめんね?」



都はそれに対して何も言わず、アタシを抱き寄せて、トレーナーの袖口で涙を拭ってくれる。



「とりあえず、中入ろう。外寒いから風邪引く。」



都はそう言って、頷くアタシの手を引いてマンションに戻る。



いきなり来たアタシを責めるでもなく、お茶入れてくるね、ってキッチンに立つ。



話したくなったら話せばいいよ、ってポーズ。



それが年上ゆえの余裕なのか、有難くも全面的にアタシを信用してくれてるのか、都の真意は分からない。