皆でゾロゾロと歩く。ピクニックに行くのは、いつものメンバープラス衛藤くんと、黒い服を着た人数名。その人達は、ボディーガード的存在だ。



あたし達の後ろに付いてきている。
後ろを振り返れば、桐生さんのようにサングラスが光のが見えた。



そう言えば、桐生さんのサングラスってなんで頭の上なんだろう?眩しいならするはずだし。ファッションかな?



じーっとスーツを着こなしている桐生さんを見つめる。



「なんだ?メス女」



「いえ…!」



慌てて視線を逸らすとあたしは、前だけを向いた。



少し怖いよね?優しいと思うけど…でも、ピクニックっておかしくない?行くの…



旭さんが用意してくれたリュックを担ぐあたし。子供が使うような可愛いクマさんが、トレードマークだ。



このクマのリュックは、若菜くんがくれたんだそうだ。たくさん黒峰くんの妹に買ってもらったらしい。



「はぁ…」



思わず溜め息が出る。長い髪を一つに縛りあたしは、手で仰いだ。
真夏だからか、すごく暑く耐えられそうにない温度。それから、蚊がさっきからうるさく飛んでいた。