『…さん!』



ん?前からくんの誰だ?



ふと気づけば前から誰かがやって来る。しかも、誰かの名前を呼びながら…



『恭平さん…はぁ…はぁ』



アキト?



息を切らしながら前から走って来るのは、アキトだった。



「恭平さん…はぁ」



なんでアキトが…?


そう思ったものの口からは出て来なかった。
それから、アキトは、道迷ったんで一緒に居ても良いですかと俺に聞いて来た。


頷くとほっとしたような表情で俺を見上げる。その瞳が本当に安心したような表情で、俺はアキトに慕われてるんだろうなと実感した。



相談した結果ここで野宿と言う事になった。上着を脱いでそれを枕替わりに寝っころがる。



いつの間にか若菜と巳艶は、寝息をたてながら寝てしまっていた。



良く眠れるよな?こんな道で。車が通らない道だからまだ良いけど…下手したら死ぬぜ?ここ…