しばらくして、もう寝ていたらしい巳艶を起こして、若菜は現れた。








「なんで俺が…」



「出発!!出発!!」



「ああ…」



このメンツ合わなくねーか?普通に…



「きもだめしに出発!!」



「かえるなよ!!」



「え!?赤茶に言われたくないよ!!」



巳艶は、もうやる気ダウンらしく一言も話さない。だからか、若菜は俺にばかり話し掛ける。



「ムリ眠い…」



「え!?子供でも起きてるのに、だらしないオヤジだな!」



ゴツンと一発拳骨を食らわせる。



「っ…痛い!横暴だ!」



涙目でそう言われ、もう一発だけゴツンと食らわせると、俺は巳艶の手を握りスタスタと歩き出した。



「あ!待ってよ!卑怯者!ミツヤン返せよ赤茶!!」







「すいません…」



「巳艶が謝る必要ねーから」



繋いでいた手を放しながら言う。すると、すぐ近くだからか、海の匂いが俺の鼻元まで匂って来ている。



久しぶりだからな。海…