「逃げるぜ?紫海!!」


ズルリと恭平のカツラがずり落ちる。そのカツラを重森さんに投げつけると、あたし達は、スーパーを後にした。








「はぁはぁ…」



「大丈夫か?紫海」



「う、うん…」



あたしと同じ距離を走っても鍛えているのか、恭平の息は乱れていない。



「……」



近くの公園に寄ると、恭平があたしの胸をじーっと見下ろして来る。もうカツラは、重森さんに投げつけてしまったから、恭平は元の髪型に戻っている。



格好は、白衣のままで、口紅とかは白衣の袖で拭い赤く染まっていた。



「胸触られたのか?」


「え!?」



驚き恭平を見上げると、恭平の手が近付いてくる。
慌てて胸を手で隠すと、残念そうな表情をした。



「エロ先生!」



「そりゃあ俺様はエロ先生だぜ?」



「……」



「なんて、お前にだけこうなるんだよ。知らない間にな」



ドキンと高鳴る鼓動。



あまりにも優しい笑顔を向けるから…なんでこんなにも好きになったんだろう…あたし…