「あいつら、暇なんだろ?今日は、平和だしな」



「そうかも…」








「葛原さん可哀想だよな」



「ミツヤンってキモ!」



「おまえらしずかにな?首だからな…」



若菜は、若なんて横暴だ!と言って巳艶は、そっと溜め息を吐いている。たつやは、それを見て豪快に笑っていた。



二人の跡を付けているのには、少し理由があった。変装しているから安心だが、念の為に二人を尾行していたのだ。



もし、狙われたら、取り返しがつかないから。



「ミツヤン!ミツヤンミツヤン!」



「なんだなんだなんだ!」



「何言ってんの?うるさいよ!」



二人のやり取りにたつやは、溜め息を吐き尾行に専念しようと前を向いた。



「あいつ、お嬢さん守れんのかね?」



弱い癖にと小さく呟くたつや。



「大丈夫ですよ!あの人なら…」



巳艶は、若菜の頭を抑えながらたつやにそう言った。
取っ組み合いの最中でも、巳艶は、たつやの言葉を聞き逃さない。
そんな巳艶をたつやは、高く評価している。



だから、もし紫海が約束を守らなくてもオカマ鍋は皆平等にしようとたつやは、思った。