紫海が居ないことに気付いた俺は、公園に来ていた。たつやと桐生も一緒に…ゾロゾロと大の大人のそれも、男が公園に来ているのがおかしいのか、周りは噂話に花を咲かせているのが見える。



「紫海どこ行ったんだ?」



「旭の話では公園に行ったらしいけど?」



「ゲ…」



あの隅っこのハゲたオヤジって…



不意に横を向けば、見覚えのある人物が目に入った。一条組の組長。時期組長の座からおりるあの男だ。



「ここから出ようぜ?」



「おまえ本気で言ってるのか?」



桐生の言葉に俺は頷いた。



「ああ…あいつはいかれた奴だから、ヤバい」



いろんな意味で。怖くはないが、怖い。いろんな意味で…



「なら、仕方ないか…」



桐生の言葉に俺はホッとした。一生あいたくない奴だから…


「そこを動かんでくだせェ~!」



は?



そう思った時には、スチャっと音がし拳銃を突き付けられていた。いつの間にか俺の背後には、一人の少年がニヤリと笑みを浮かべているではないか。



「この饅頭が目に入らないんですか?」



意味わかんね~。饅頭がなんで、銃口に入ってんのかわかんね~よ…