「キャウン!」



居たんだ?ポチって犬…しかも首輪なしだ。捨て犬か?



俺はもう大広間の入り口で寝そべりながら観察している。



疲れるし…



「ポチ!キミはご主人様のペットですね?」



キャラ変わってんな?紫海…



「ご主人様が実はケチなため、ゲバラって言葉がご飯だよに聞こえた。
そして…」



そう言った瞬間紫海は、よろめいた。



大丈夫か?紫海…



「失敬…あたし…ごほん…私病気持ちなんでちょっと目眩が…」



紫海は大袈裟な程によろめき、廊下の床にしゃがみ込む。



「紫海?」



俺はそんな紫海が心配になり、駆け寄ろうしたが、スーッと紫海の手によって止められる。



「大丈夫!あたしの演技だから…」



にっこり笑って紫海がウインクする。
ますます紫海のバカ疑惑に俺は、ああと返事すると、頭を抱えた。



かなりバカだ。紫海…可愛い…けど