そう思ってると、不意に声がした。



『避けろ!!!!!』



ちっ、まさかあいつらか!?



たつやの声に俺は、とっさに二人を抱えて茂みに避けると、木に何かが当たった音がした。



パリン…



皿が当たって割れた音だ。



「す、すいませんえん!!!!」



情けない声でのろのろ走る、男子中学生。お相撲並の奴は、額には汗がたらふく流れ出ている。
流れ出ているからと言って飲みたいなんて俺は思わねー。



イヤ、まだ黒峰のがましに見えるから不思議だぜ。



「す、すいませんえん!!す、すいませんえん!!」



奴は、俺達の前までやって来ると、すかさず体育座りをして頭を下げる。



俺達バカにされてんのか?



普通は、土下座だと思うんだが…奴は、体育座りをしたまま何度も謝る。



すいませんえん?暗示か?なんかの?
最近のガキは、良くわかんねーぜ。