「な!?お前好きな奴幸せにしろよ!!」



たつやの瞳は、俺への怒りでいっぱいだ。
ごめんなんて言っても、今のたつやは聞いてはくれない。下手したら、俺は死ぬかもしれない。



だから、紫海の泣いてる姿を見てどうしたらいいか分からなかったのかもしれない。



だから、俺を追いかけてここまで来たんだ。たつやは…本当は、屋敷に帰りたいだろうに…オヤジの側に居てやりたいだろうに。



俺の所に来るって事は、死を意味するかもしれない。
それなのに、たつやは一人で来たんだな。



やっぱりここは、ありがとうって言うべきか?



「ふぅ…やれやれやわな、恭平ちゃん」



重森さんは、そう言うと、懐に隠していたもう一つの拳銃を取り出し俺達に向ける。



ズチャ



「もう、戻らへんて事で良いんやな?バイバイ?恭平ちゃん…」



バキュン



最後に見た重森さんは、ニヤリと笑っていた。



『こいつら、始末しといてくれへん?』


『はいはい…でも、良いの?恭ちゃん殺しても?』



『ええよ、もういらへんし。自分はええの?恭平ちゃん死んでも』



『欲しいよ?私の好きな人だもん!でも、死ぬなら、もう誰の物にもならないからね?だから良いよ…恭ちゃん死んでも』