「っ…ぐはっ…っ…うわぁぁ-ー!!!!」



俺は、吹き飛んだ。たった一発で。情けなさと、悔しさで涙が出そうだ。ふと手の甲を見ると、吹き飛んだ拍子に傷が出来ていた。



それを舐め俺は、ゆっくりと立ち上がった。



「俺あんま時間ないんやけど?」



そう言いながら重森さんは、懐から何かを取り出した。



ズチャ



拳銃だ。重森さんは、俺に向けて引き金を引いた。



っ…やばいな…



よろよろの俺は、立つのもやっとだ。おまけにここまで全速力で走って来た疲労で、今の俺にとって最悪だった。



「恭平ちゃん…さいな…っ」



バキュンバキュンと音がなった。誰かが、重森さん目掛けて拳銃を打っている音だ。
命中率が良いのか、重森さんの構えている拳銃に当たり地面に落下した。



『恭平!!』



その声を聞いてたつやだと俺は、理解した。



「た…っぐはっ…はぁはぁ…」



駆け寄って来たたつやは、俺をぶん殴った。



「恭平!!お前何一人で来てんだよ!?お嬢さん泣いてたんだぜ!?泣かすなよ…好きなんだろ?」



殴られた頬を触りたつやを見る。