昨日と同じように、放課後の図書室には人の気配はない。
違いといえば朝からの曇り空で、日差しが差し込んでいないことくらいだ。
薄暗い中に立ち並ぶ書棚たちは、閉店後の本屋のように静かだった。

ミウは一呼吸して室内をぐるりと見渡して奥へと進む。
自分の足音だけが室内に響いている。
一番奥、歴史学の棚をゆっくりと覗き込む。

しかし、そこに人影はない。

「はぁ…」
大きな溜め息を漏らして頭を垂れた。