図書室を照らしていた日差しもだいぶ暗くなり、二人のシルエットも闇に溶け始めると空気が重くなったように感じる。
二人は言葉を発することなく、暗闇に隠れ始めた机をぼんやり眺めた。
ヤマトが書棚から持ってきた数冊の本が机に重ねてあって、上から二番目、背表紙の表題上にある出版社のロゴマークを眺めてミウは呟いた。
「あたしたちみたい」
そこにはかごの中に一羽の鳥が描かれていた。
なにげないマークなのだろうが、現在の日本人を表しているように思える。
「…」
ミウの視線の先を見て、ヤマトは言葉が見つからなかった。
「好きで日本人に産まれてきたわけじゃないのにな」
ミウの言葉にはもどかしさと諦めが混ぜ合わせてある。
しかし、現在の日本人全員の思いを代弁しているのかもしれない。
そんなミウの肩を優しく叩いてやることくらいしか、いまのヤマトに出来なかった。
非常灯以外に灯りのない部屋も、二人のことを暗闇に優しく包んでくれている。
二人は言葉を発することなく、暗闇に隠れ始めた机をぼんやり眺めた。
ヤマトが書棚から持ってきた数冊の本が机に重ねてあって、上から二番目、背表紙の表題上にある出版社のロゴマークを眺めてミウは呟いた。
「あたしたちみたい」
そこにはかごの中に一羽の鳥が描かれていた。
なにげないマークなのだろうが、現在の日本人を表しているように思える。
「…」
ミウの視線の先を見て、ヤマトは言葉が見つからなかった。
「好きで日本人に産まれてきたわけじゃないのにな」
ミウの言葉にはもどかしさと諦めが混ぜ合わせてある。
しかし、現在の日本人全員の思いを代弁しているのかもしれない。
そんなミウの肩を優しく叩いてやることくらいしか、いまのヤマトに出来なかった。
非常灯以外に灯りのない部屋も、二人のことを暗闇に優しく包んでくれている。