二十世紀後半から問題視されてきた少子化問題が現実となった今から八十年後の日本。

農業の衰退や国土開発などで生態系を著しく破壊され、自力での国力を失っていた。
追い討ちをかけたのは、生産力の多くを担う若年層の海外移住と急速な高齢化に伴い本土人口は激減してしまった。
日本政府は様々な政策を打ち出すが、決定的な改善とならなかった結果、総人口の少ないことで、政府自体が存続困難となった。

これを深刻な問題として、国連は日本を国連特別保護地区と定め、友好国のアメリカ合衆国に日本復興支援を委託。

アメリカ政府は受託し、日本を自国特別保護地区「東京市」とした。

東京市で確認された旧日本人は老若男女合わせて六十名。
アメリカ派遣政府「GAP(green apple project)」は、全ての東京市民に管理番号を割り当てた。
市民はDNAから食事や性行為に至るまでをGAPに監視されている。
この政策は旧日本人絶滅保護を念頭に、出生から婚姻と出産までをコントロールするものであった。
男女お互いのDNAから良い子孫を後継することから、婚姻相手はGAPに判断決定された。
それ以外の例外は認められない。