薫は、私が陸君を避けているのを見て、あえて陸君の話はしなかった。


それが、私にとってはひどく苦痛だった。

私は彼を失ったのだというのを、認めてしまうから。


でもそれが現実なんだ。

現実というのはひどく残酷だ。


これから、短い人生なのに、私はなにも変わらずに終わるのだろうか。


結局、友達なんか何かがあれば、すぐに去っていくだろう。


頼るべき家族もいない。

私は孤独だ。


一人で死んでいくんだ。