私はただぼーっとビルのディスプレイをながめていた。

なんだかわからないCMが流れていた。でもやることもないし、私はただ眺めていた。

「薫!」


後ろから、私の愛する人の声
「陸!」
後ろを向いて答えた私の目の前には、変わらず歩き続ける人混み・・・


「陸?」
今の声・・聞きまちがえ?
なんだかいやな予感がした。

そのとき今までCMしか流れていなかったディスプレイに、アナウンサーらしき人が現れた。