外は、雨が降っていた…


「え…どうして…？」



僕の胸にすがりつき、泣いている女の子…



それを呆然と見つめているのは………ハルカだった…

















少し前


僕はハルカを置いて先に入り口まで来ていた


と、外は雨が降っていた…
しまった…傘は持ってきてないぞ…



って、あ…れ…？



そこに…タクミの彼女、坂田クミがいた…



坂田!?


坂田は僕の呼びかけに応えるようにこっちを向いた…
その表情は雨でわからないが…泣いているようにも…見えた



濡れてるじゃないかっ!そんなとこで何…




〈ドスッ〉



胸のあたりに何かがぶつかってきた…


坂田が…あの坂田が…僕の胸にぶつかってきた…




何が何だか、困惑した僕だけど…



「うぅ…ひっ…ぁ…くっ…」



坂田は…泣いていた
何か悲しいことがあって…そこに声をかけたのが顔見知りだった僕だから、押さえきれなかったものが一気にこみ上げたのだろう


そうでなきゃ…って、そうだよ



坂田？何があったんだよ!?


「うる…っさい…！っ…ん…」

ぎゅっと僕の服を強く握りながらそういった坂田



こういうときでも強がってることってないんじゃないの？
なんか言ってくれないとわかんないだろ…



大体、僕はいつまでこうしてればいいんだよ…
そのうちハルカが……



って…




僕の胸で泣いている坂田と
そんな坂田に困惑してる僕を



呆然と見ているのは……ハルカだった…