キューッて締め付けられる感覚に泣きたくなる。

 私じゃ、ダメなのかしら?

 ほら、私って素直じゃないし可愛くないし、普通の子より背も高くてタツキとあんまり変わらないもの。

 そりゃあ、素直で可愛くて小さい子がいいに決まってるわよね……。

「千紗」

 すでに部屋の前に来ていて、その扉を開こうと伸ばした手を、タツキのいつもより低い声と冷たい手によって止められた。

 顔だけを動かしてタツキを見れば、真面目な表情(かお)をしていて。

 一瞬、どきりとしてしまったことを隠すため、私の手を掴んでいるタツキの手へ視線を落とした。

「……俺、何かした?」

 タツキは何も悪くないのよ。

 ただ、私の心が騒ついてるだけで。

 黙ったままの私を見兼ねてなのか、掴んでいた手に力を入れ空いている手で扉を左へ滑らせ部屋に押された。

 部屋の状況を見て「え?」と、すっとんきょうな声を聞いて、「コマチの仕業よ」と、口を開く。

 私の手を引っ張りながら、タツキはベッドに腰掛け、私はその目の前で両手を掴まれ立たされる。