長いため息をつきながら生徒会室のドアを開ければ、普段どおりとまではいかないが、結構回復してきた二人がお茶を飲んでいた。
まぁ、ずいぶんと呑気なこと。
仕事の一つや二つ、片付けてくれたっていいんじゃないかしら?
二人を一瞥しながら心の中で毒づき、黙々とファイルを取出し、目を通す。
目が疲れてきた、なんて体が訴える頃に携帯が震えていることに気付いた。
ブレザーのポケットから携帯を取り出すと“坂桑家”の文字。
実家で何かあったのか、と心配になりながら耳にあてた。
「はい、もしもし?」
『千紗お嬢様、このような時間に大変申し訳ありません。葛城でございます』
「葛城さん?どうしたの?」
『あの、本日こちらへ来て頂けないでしょうか?』
「別に、構わないけど……。何かあったの?」
なんだか言い難そうだけど、実家に呼ぶってコトは、相当なことなんじゃないの?
そこを話してもらえないと、こっちも煮え切らないんだけど。