「はぁ。祥也にバレるなんて……」

「最初は疑問に思ってたんだけどね?
雄太郎が女装して呼ばれた時、俺と千紗が話してるのを見てタツキ先生が『誰だ、コイツ』っていう瞳(め)をしたから」

「でも、タツキだってウソはうまいと思うわよ?」

「確かに。だって、一瞬目の色を変えただけであとは全然普通だったからね。
でもさ、ウソがうまいって千紗にとっては結構痛いんじゃない?」

 ……そうね。
 タツキがウソをつくのがうまいとなれば、私は騙されてばっかになるもの。

 でもね?
 なんとなくだけど、私にウソをつかない気がするのよ。

 私が信じ切ってるだけかもしれないけど。

「そうね。結構痛いわね」

「何、余裕?」

「ふふ。そうなのかしら」

「ま、そうやって信じなきゃ禁断の愛は成立しないよねぇ〜」

「言い忘れてたけど、誰かに言ったりでもしたら、どうなるか分かってるわよね?」

「はいはい。分かってますよぉ。さて、俺もその“禁断”ってヤツに足を踏み入れてこようかな?
じゃ、バイバイ!!」

 ふわっと甘く微笑みながら、スゴいことを言われた気がするけど、あえて触れないわ。

 だって、その方が絶対いいもの。

 祥也と〇〇先生がオトモダチだなんて耳に入れたくないんだからっ。