「あー、はいはい。オトモダチだものね」

「ところで、彼氏が奏子ちゃんと浮気でもしたの?」

「……知らないわ。そんなこと」

「まぁ、タツキさんも馬鹿だよね。普通、二人っきりにならないでしょ」

「別にタツキが悪いなんて……あ"」

「やっぱり二人、デキてたんだねー」

「最低。分かってて鎌かけるなんて」

「いいじゃんっ。オサナナジミなんだし?」

「怪しく言うのやめてくれないかしら?」

 手をひらひらさせながら祥也の側から離れ、脚を動かす。

 幼なじみ、ねぇ。

 ホント、ろくな幼なじみじゃないんだから、祥也と啓輔は。

「で?いつから気付いてたのよ」

「んーとねぇ。いつだと思う?」

「私が聞いてるんだけど?」

「あはは。先生がこの学校に来て1週間くらいに、千紗と話してるのを見て、かな?」

 何よ、それ。
 結構前から、気付いてたんじゃない!

 祥也の勘が鋭いからなのか、私達が分かりやすすぎるのか。

 ……後者じゃないことを祈るわ。