「目、瞑って」
「イヤダ」
「しないわよ?」
「そう言って、昨日騙されたんだよ」
「お願いっ」
「こうやって焦る千紗は、可愛いね。
ほら、昨日もチュウできなかったし?たまには、サービスで普段見られない千紗を見せてよ」
へへへへへ、変態っ!!!!
何よ、何よ、何なのよっ!
人前(目が虚ろだったけど!)でキスをして、なおかつ偏った性癖なんだか分かんないようなモノを持った変態を、喜ばすようなサービス精神は、私にはないんじゃないかしら?!!
「…10……9……8」
「えっ?!か、カウントダウン?!」
「……7……6…」
うっそ!
いわゆる、強制執行ってやつなの?!
っていうか、タツキは目を開けたままじゃないのよっ!!!
「…5……4……3…」
ぎゅっとタツキが着ていた服を握りしめ、力強く目を閉じる。
「…2……1…」
0、と言い掛けた唇を重ねる。