今日と明日は、いつも使っているキングサイズのベッドを、私とミドリで使い、雄太郎はタツキの仕事部屋、タツキは私の勉強部屋で寝ることになっている。

「もう寝るのぉ」

「たまには、ね?」

「まぁ、いいけど!
ちぃ、何かあったでしょ?っていうか、あったよね?」

「別に……」

「えぇ〜。話してくれないの?」

 布団に潜りながら、少し拗ねた感じの声を出す、ミドリ。

 何かあった、と言うほどでもない。

 …………けど。

「やきもちってさ、妬かないと変なの?」

「え?!やきもち?!」

 ミドリの驚いた声を聞きながら、布団を捲りベッドの中に潜り込む。

「雄太郎がね。カナコっていう人が、タツキを口説いてるらしいよって教えてくれたのよ」

「ふーん。あ、でも、タツキさんってカッコいい部類に入ると思うよ?中の上か上の下って感じじゃん」

「そうなの?」

「ずっと一緒にいたから感じてないだけだよっ。学校の先生の中で一番カッコいいと思わない?」

「別に?」

「だから、必然的に女の子から注目されるよぉ。まぁ、なびかないと思うよ、タツキさんならねっ」

 なびかない、ねぇ。タツキが?

 まぁ、その方が嬉しいけど、何かとタツキってウソがうまそうじゃない?