「ねぇ、ちぃ」

「何、ミドリ」

「あの二人兄弟みたいだねっ」

「そう?」

「だって、ほら!笑った感じとかぁ」

 「兄弟だもの、似てるわよ」なんて、口が裂けても言えないわ。

 でも、ホントに似てる。

 ミドリにバレるのも時間の問題かしら、なんて思いながら「そうね」と曖昧に答えた。

「ミドリ、この問題解いてて。私、飲み物とってくるから」

「はぁーい」

 ミドリの気の抜けた返事を聞きながらキッチンへ向かう。

 冷蔵庫から、お茶と紅茶、オレンジジュースが入ったペットボトルを取り出す。

 さすがに3本は重いと感じながらも抱えると、2本を奪われた。

「あ、タツキ…」

「重いでしょ?俺持つよ」

「ありがとう」

「ねぇ、千紗」

「ん?」

 タツキの方を向こうとすると、頬に柔らかい感触。

 バッと離れてタツキを見れば、満足気な表情。