「好き、じゃないの?」
「はぁ?」
「だって、さ。そうじゃん。やきもち妬かないなんて、タツキセンセーが不憫だ!」
「別に……」
変、なの?やきもちを妬かないって。
「誰が不憫だって?」
「あ、別に」
「そう?
ほら、みんな帰る準備してっ。玄関閉まっちゃうよ」
タツキの呼び掛けで、バタバタと帰る準備をする二人を尻目に、タクは「じゃ」と、先に帰ってしまった。
帰り支度ができたところで、電気を消す。
日が短くなり、5時だというのに辺りは真っ暗。
ずっとしゃべっている二人に声を掛け、生徒会室をあとにした。
今日は皆でタツキの車で帰る、ということで早く家に着いた。
私がてきぱきと用意したご飯を食べ、お風呂に入ったところで、追試に向け勉強会がスタート。
とりあえず、ミドリは数学だけだから、私が教えることになった。
タツキは雄太郎に全教科教えてるみたいだけど、うまくいってるみたい。