「千紗、遅かったじゃん。なーにしてたのかなぁ?」
「別に、何も」
「ちぃ〜。あたし、もう無理ーっ。わ〜か〜ん〜な〜い"〜!」
「おい、坂桑。俺一人じゃ無理だ」
「あ、うん。ごめん、タク」
静かにミドリの隣に座り、数学の問題を教えていく。
赤点のみ防げればいいから、発展的な問題は省き、基礎のみを叩き込む。
だいたいの基礎問題を教えた頃、生徒会室のドアが開きタツキがやって来た。
「あ。タツキさんどこ行ってたのぉ?」
「みんなに、プリントあげようと思って」
「何のプリントですか?」
「ほら、テストに出そうな所とか大事な所とか。雄太郎くん。ホチキスで止めるの手伝って」
雄太郎は「はーい」と、軽く返事をしてプリントの束とホチキスを受け取った。
そんな雄太郎とタツキを見ながら、ミドリが私を突く。