「……ち、さ?」

「ふふっ。ほら、行くわよ」

「ズルい!!」

「何がズルいのよ」

 小会議室から出るため、ドアノブを握りながら上半身だけを捻りタツキを見る。

 タツキは不服そうな顔つきで、目を細くして私を見ていた。

「普通マウストゥマウスだろーっ?!」

「誰が口にするなんて言ったのよ?キスしてって言われたから頬にしただけ」

「あー、もう!!ヒドイ女」

「好きな様に言えば?」

 軽く口角を上げ、そう言った後、小会議室を出て生徒会室に向かう。

 短くも長くもない廊下を、足早に歩き生徒会室に入った。